マイナス利回り債券は過去7カ月で2倍以上の16兆3000億ドル(約1700兆円)に達し、2019年4月以来の高水準となっている。マクロ経済アナリストのホルガー・ツァエピッツ(Holger Zschaepitz)氏はそう指摘した。

現在、16兆ドルを超えるこうした債券は、満期まで保有すると損失が発生することになる。世界経済を支えるために各国の中央銀行がかつてないペースで債券を購入しているため、マイナス利回り債券は17兆ドルを超えて過去最高を更新しようとしている。

そうしたなか、利回りを求める動きは激しさを増し、債券からビットコイン(BTC)のようなインフレに強いとされる資産に資金が回される傾向が強まるだろうとスタック・ファンド(Stack Fund)のマシュー・ディッブ(Matthew Dibb)CEOは語る。

「今後、利回りの追求がビットコインの価格と普及の伸びの主な原動力となる可能性が高い」(ディッブ氏)

これまでのところ、株式市場がマイナス利回り債券から大きな恩恵を受けていると同氏は付け加えた。

マイナス利回り債券の推移出典:Bloomberg via Holger Zscahepitz

エコノミストでトレーダーのアレックス・クルーガー(Alex Kruger)氏は、アメリカ大統領選挙がもたらした不確実性が解消されれば、増え続けるマイナス利回り債券は、ビットコインの強気の動きを再燃させると考えているとCoinDeskに語った。

ビットコインは過去7カ月間、マイナス利回り債務の増加と並んで、200%近く上昇している。7カ月前、ビットコインは3月12日の「ブラック・サーズデー」で大きく下落したが、年初から見ると58%上昇している。

決済大手のスクエア(Square)などが最近、ビットコインへの投資を開示したことで、代替資産としてのビットコインの魅力は高まっていると言える。

全体的な見通しは強気だが、短期的には世界の株式市場が低迷するなか、ビットコインも弱含みな状況が続いている。米株式市場も、ヨーロッパでの新型コロナウイルスの再流行と、追加の経済刺激策をめぐってアメリカの政局が膠着状態になっているため下落圧力にさらされている。