米ドルに連動するステーブルコインの「テザー(USDT)」を発行するテザー社は、500ビットコイン(現在のレートで約23億円相当)の身代金を要求する脅迫状を受け取った。同社は28日、「ビットコインのエコシステムに害をもたらす」とする脅迫文書は公開しないとツイッター上で明らかにした。

「恐喝としてはかなりお粗末な試みと考えているが、真剣に受け止めている。偽造されたやり取りと、身代金の要求文書は当局に提出済み。いつも通り、当局の捜査に全面的に協力する」(テザー社)

テザー社は暗号資産(仮想通貨)市場において、ときに物議を呼びながらも、重要な役割を果たしている。ステーブルコインのデザー(USDT)は、トレーダーや取引所によって広く利用され、暗号資産エコノミー全体にシステム的な重要性をもたらしている。

2020年、ビットコイン価格の高騰に伴い、テザー(USDT)の発行総額は20億ドルから340億ドル超へと増加した。テザー社は、発行済みのテザー(USDT)はすべて、銀行口座に保管されたドルあるいはドルに相当する資産によって裏付けられていると主張している。だが、この件については学術機関や、暗号資産に懐疑的な人々、そしてニューヨーク州検事総長事務局との間で論争の的になっている。

準備金への疑問が再燃

ここ数日、テザー社の従業員とテザー(USDT)の準備金(裏付けとなる資産)を保有しているとされるバハマの銀行デルテック(Deltec)の担当者とのメールでのやり取りとされる文書がオンライン上に出回り、テザー(USDT)の準備金についての疑問が再燃している。

メールの真偽は不明。テザー社は脅迫を発表した一連のツイートで、メールは本物ではないとしている。米CoinDeskはテザー社にコメントを求めれたが、まだ返答はない。

テザー社は2月23日、親会社を同じくする暗号資産取引所ビットフィネックス(Bitfinex)に対する8億5000万ドルの融資についての複数年にわたる捜査について、ニューヨーク州検事総長事務局と和解。テザー社の不正行為は認められなかった。

検事総長のレティシア・ジェームズ(Leticia James)氏は「テザー(USDT)は常に米ドルによって完全に裏付けられているとするテザー社の主張は嘘だった」と述べた。和解条件のもと、テザー社は今後2年間にわたって、準備金について四半期ごとに報告書を提出することになっている。

|翻訳:山口晶子
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Clint Patterson/Unsplash
|原文:Tether Allegedly Received Ransom Note Demanding 500 BTC

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