米上院の銀行住宅都市委員会で2日、証券取引委員会(SEC)の委員長にゲイリー・ゲンスラー氏を指名する承認公聴会が開催された。ゲンスラー氏はSEC委員長として、イニシャル・コインオファリングやETF(上場投資信託)、仮想通貨企業の上場に向けて大きな裁量を持つことになる。

しかし、公聴会でゲンスラー氏は、仮想通貨規制に関して、これまでのSECの姿勢からは具体的な変更に言及することはなかった。ビットコインについてはコモディティであるとして、SECの権限から除外されているが、ICOに関してははぐらかされてきている。

ゲンスラー氏は「ビットコインやアルトコインは、ファイナンシャル・プランニングや投資家の参加に新しい考え方をもたらした」と評価した一方で、「委員会と共同して新たなイノベーションを促進するだけでなく、投資家の保護にも取り組む。例えば証券と認められるものはSECの規制下にあることなどだ」と、これまでのSECの態度を繰り返すにとどまった。

これまで米国では、どの仮想通貨が有価証券として扱われるかは長年にわたってSECの委員長の考えに依存してきている。さらにこれまでSECは、3つのノーアクションレター(法令解釈に関する照会)を発行。ノーアクションレターは、ガイドラインを遵守していれば、罰則を科すことはないというもので、仮想通貨業界関係者にとって規制下でサービスを提供することへの指針ともなっている。

米国の上院議員で仮想通貨支持者のシンシア・ルミス氏はSECについて、「イノベーターのブラックホールになっている」と批判。「テクノロジー市場は常に変化し、進化しているため、SECが態度を明確にすることが重要だ。ガイダンスにしろ、ノーアクションレターにしろ、これらを提供することが必要だ」と述べている。

今回の公聴会でもゲンスラー氏の発言は仮想通貨業界にとって期待はずれもものであったが、同氏がこれまでマサチューセッツ工科大学で仮想通貨やブロックチェーンについて研究していた経歴から、仮想通貨業界では以前期待は大きい。

銀行委員会ではゲンスラー氏に対し、党派を超えて支持を示した。ゲンスラー氏は上場企業は環境への影響の開示要件を拡大する意向を示しており、共和党員の中にはこれに反対するものもいるが、委員長就任を否決することにはならないだろう。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン