undefined仮想通貨(暗号資産)はトレーディング以外でも報酬を得る手法が登場し始め、新たな金融資産としての地位を確立しようとしている。

その1つがレンディングだ。仮想通貨レンディングでは、ユーザーは仮想通貨を預けることで一定の金利を受け取ることができる仕組みだ。ブロックファイ(BlockFi)やセルシウス・ネットワーク(Celcius Network)といった仮想通貨レンディングプラットフォームが興隆し、多くの仮想通貨を集めてる。たとえばセルシウスは5月、ビットコイン(BTC)の預かり額が5万BTC(約500億円)を突破したと発表した。

また仮想通貨から収益を得る手法としてはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)によって報酬を得る手法も出ている。大手仮想通貨取引所バイナンス(Binance)やコインベース(Coinbase)は、ユーザーにステーキングサービスを提供している。日本でもコインチェックが今年1月に仮想通貨Lisk(LSK)のステーキングサービスを開始している。

レンディングとステーキング。どちらもユーザーが仮想通貨から報酬を得る仕組みだが、ユーザーはどのような違いを意識するべきだろうか。

レンディングとステーキングの違いは?

「2つは、収益を生成する上で根本的に異なる手法だ」と、米レンディング企業ブロックファイのザック・プリンスCEOはコインテレグラフジャパンに対して指摘する。

「ステーキングは、法定通貨のインフレと連動するリスクフリーの利率とより類似したものだろう。一方でレンディングは、リスクを設定して資本市場からリターンを生み出そうとする」

PoSアルゴリズムを採用している仮想通貨テゾス(XTZ)。そのテゾスの普及活動を担うテゾスジャパンは、2つの違いについて、次のようにまとめている。

レンディング

1)利率が貸与先の事業体に左右され、集中的で短期的に変動しやすい。2)システムが貸与金を保護しないため、返金および利率は預けた先の事業体の信用度に左右する。3)一般的に高利率である事が多い。

ステーキング

1)プロトコルが利率を決めるため、より分散的に決まり長期的に安定する。2)一般的に保証金の供託が必要で、ロックアップ期間を要するが、システムが保証金を保護するため罰則を受けなければ安定的に返金される。3)一般的に低利率である事が多い。

レンディングプラットフォームは、ユーザーから預けられた仮想通貨を企業や機関投資家などに貸し付けることで収益を得る。そのため、貸付先が返金できないリスクも当然存在する。プリススCEOが指摘するように、一定のリスクを取ることで、レンディングはより高い利率となるケースが多い。

そのため、ユーザーが、レンディングを選択する際には、得られる報酬とリスクとの比較、サービスを提供する事業体の信用度といったことを考慮する必要があるだろう。

ステーキングに参加する意義

一方のステーキングはプロトコルによって利率が決定しており、より安定しているといえる。その代わりにレンディングに比べて一般的に利率が低いことが多い。

PoSは、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)に替わる新しいコンセンサスアルゴリズムとして登場したものだ。PoSは一般的に、コインの保有量や年数に応じて、マイニングによる報酬が決まる仕組みであり、PoWによるエネルギー消費の問題を解消することが期待されている。

ユーザーがステーキングに参加する際には、そのブロックチェーンのコミュニティに参加し、ネットワークに貢献するという意識もより重要となるだろう。テゾスジャパンは次のようにコメントしている。

「ステーキングは主にブロック生成やガバナンスなどへの参加の対価としてステーキング報酬を得る事が多いため、コミュニティに参加するという意識が必要です」

ブロックファイのプリンスCEOも、ステーキングではユーザーが「ブロックチェーンネットワークのセキュリティに貢献できること」が大きな意味だと指摘している。

日本でも前述のようにコインチェックによるステーキングサービスがスタートした。イーサリアム2.0ではPoSアルゴリズムが採用される予定となっており、日本でのステーキングへの注目度がより高まることになるだろう。今後1つプラットフォームの中でレンディングとステーキングを選択できるような機会も出てくると考えられる。ユーザーサイドでも、ステーキングとレンディングの違いを意識し、その選択を行うことが重要になってくるだろう。