車両登録や修理履歴をブロックチェーンで記録

大手自動車メーカーなどが参加するMOBIは自動車ID標準「VID II」をリリースし、ブロックチェーンにより国際的に車両情報を共有できるようにする。

モビは2019年に自動車ID標準第一弾(VID I)を発表した。これは、車両の誕生に焦点をあてた「出生証明書」のようなIDで、所有権の変更、修理、保険金請求などのイベントや、走行距離を記録する機能などのユースケースを将来可能にするものとして開発されたものだった。

VID IIは、このVID Iを活用して、車両登録や修理の記録などを実際に行えるようにするものだ。以前は州や国単位で個別に存在していた様々な車両登録システムが、一つの共有台帳を介して相互に接続可能になるという。

バイヤー、規制当局、保険会社に改ざん防止された車両のメンテナンス履歴を提供し、特に中古車を適切に評価するための情報を確保する。

モビによると、VID IIにより、買い手と売り手の両方がより信頼性の高い記録を持つことが可能となり、売り手の市場価値と、買い手の安心感を高めることに繋がる。また車両記録を処理する機関も、効率的に記録を処理し追跡できるようになるという。

これまでは走行距離計が巻き戻されたり、損傷した履歴を買い手が確認できないなどにより、不適切に中古車が販売されるケースも報告されていた。VID IIは登録や修理の情報を確かなものにして、中古車販売市場の透明性を高める狙いだ。

モビは様々なユースケースを開発中

自動車ID標準は今回のような事例の他に、サプライチェーン、資金調達、電気自動車の充電、自動運転車のデータ交換などのユースケースでの応用も期待されている。

「このネットワークが、車両、サービス、データ、インフラストラクチャを収益化する、数兆ドル規模の新しいチャンスをもたらすことを期待している」と、モビの共同創設者で最高執行責任者(COO)のTram Vo氏はコメントした。

モビはブロックチェーンについて主に輸送業界での採用や標準設定を推進しており、他にゼネラルモーターズ、アクセンチュア、ボッシュ、デンソー、IBMなどの大手企業も参加している。

ブロックチェーン業界からは、ConsenSysをはじめ、Hyperledger、R3、IOTA、テゾスも加入しており、2020年4月にはリップル社の参加も確認された。

また、2020年10月には、ブロックチェーン基盤の分散型車両充電システム規格をリリース。電気自動車のエネルギーを電力網につなげて、家などで電力源として使用することを可能にする見込みだ。モビは規格作成により、他にも炭素排出量の削減や交通安全、渋滞の改善なども行いたいとしている。

BMWは独自報酬プログラムをスタート

BMWは独自のブロックチェーンを基盤とした報酬プログラム「BMW Vantage」を開発した。顧客が車両購入などで得られる報酬ポイントを集め、それを支払いや割引特典に利用できるサービスで、ポイントは自動車や旅行、カルチャー、教育など様々な業界間で使用可能。

まずは韓国支社のBMW Koreaがこのプログラムを開始し、将来はグローバル展開も視野に入れているという。